今回は妊婦教室3回目のお話をします。
どんなお話がされるんですか?
病院でのプラン選択、出産後の変化、購入すべき物についてです。
アメリカで出産予定のご夫婦には知っておいて欲しい内容ですね。
入院後の様子・バースプラン・無痛分娩の麻酔について
入院後の様子について
アメリカでは、39週以降になると、「陣痛誘発剤」を使用しての予定分娩ができるようになります。
病棟では、モニターで「赤ちゃんの心拍」「子宮収縮の頻度」をチェックしながら様子をみます。
(無痛分娩の麻酔を選択した人妊婦さんは、24時間チェックを行うことになります)
経産婦は、出産を促す効果がある「人工破膜」を選択することができます。
難産の場合は、鉗子や吸引などの器具を使用した分娩が行われますが、帝王切開になることもあります。
ただし、出産時の会陰切開は、アメリカではほとんど行われません。
バースプランについて
産科病棟に入院後、分娩に関して、個別に希望を受け入れてもらうことができます。
大きく分けて、以下の6つの選択をすることができます。
① 自然分娩で出産したい。
② 陣痛の痛みを麻酔で取りたい。
③ カンガルーケア(出産後にすぐに赤ちゃんを抱かせてくれる)をしたい。
④ 「臍の緒」を自分達で切りたい。持って帰りたい。
⑤ 出産時の立ち会い・出産後の面会を制限したい。
⑥ 合わないので医師を変更したい。
バースプランを自由に選ぶことができますよ。
無痛分娩の麻酔について
① 硬膜外麻酔(Epidural Analgesia)
子宮口が4㎝以上開くと受けることができます。また、効果が出るまで約30分程度はかかります。
麻酔は、継続的に効果があるので、出産時は痛み無く 分娩することができます。
下半身の麻酔なので、トイレに歩いて行くことは出来ないので注意が必要です。
② 麻薬性鎮痛薬(Narcotics)を用いた麻酔
子供にも影響が出るので、出産前にはできません。出産後は、希望すればすぐ可能です。
ただし、薬の効果が切れたら痛みがすぐに出てきます。
出産後も医療スタッフからサポートを受けることができます。
出産後の変化について
出産後は大きく以下の3つの変化があるようです。
変化① 赤ちゃんのお世話
赤ちゃんには、ミルク・オムツ替え・沐浴など多くの世話が必要になります。
特に昼夜の区別がつかない赤ちゃんは、3時間おきにミルクを欲しがるため、ママは寝不足になります。
忙しさのあまり自分の食事ができなくなることもあります。
変化② お母さんの体の変化(子宮の回復と尿もれ)
<痛み> 出産の影響で会陰が切れて痛みがある場合もあります。
桶の様な形をした「シッツバス」にお湯を溜め、患部を温めて痛みを和らげる方法があります。トイレに引っ掛けて使うので、お風呂より手軽です。
椅子に座るのも痛い場合は、「ドーナッツ型の円座クッション」がおすすめです。
<出血> 子宮の回復の過程で、約1週間は悪露(おろ)という出血が続きます。
出血が完全になくなるまで約1ヶ月かかることもあります。
なくなるまでの頻回のトイレが辛い場合は、「シッツバス」に洗浄ノズルが付いた物がおすすめです。日本でいう、ウォッシュレットです。
ミシガン大学病院では、入院時の部屋にシッツバスがあり、退院時に持って帰って良いそうです。
<尿もれ> 産後は、尿道周りの筋肉が緩んでいるので、尿もれが起こります。(3〜4ヶ月で戻ります。)
尿もれを防ぐため、毎日「ケーグル運動(骨盤低筋)」をしておく方がいいです。
<子宮収縮> 母乳を与えると脳が反応して、子宮収縮が起こり、回復が促されます。
変化③ お母さんの感情の変化
赤ちゃんが産まれてると、お母さんになれて幸せという感情が生まれます。
ただ、一方で、「突然涙が出る」「一人になった時に落ち込む」「赤ちゃんの泣き声を聞くと辛くなる」といったマイナスの感情も起こります。
このマイナスの感情が悪化すると「産後うつ」につながります。
産後うつの主な症状は、「会話中に焦点が合わない」「自分の事が何も手に付かない」などがあります。
これらの症状に気づいたら、家族や友人に助けを求めましょう。
周囲の人がこれらの症状に気づいたら、「家事をさせない」「赤ちゃんを預けて気分転換をさせてあげる」など、ママの身の回りを助けてあげるといいですね。
そうしないとうつ病が進行しますので、異変を感じたら、友達・家族・病院へ相談しましょう。
産後1ヶ月は赤ちゃんの世話に専念できる方がいいですね。
赤ちゃんの安全のために購入すべき物について
赤ちゃんのためにたくさんの物を購入する必要がありますが、以下の4つは必要になります。
① 柵ありのベビーベッド(乳児突然死症候群を予防できる)
② チャイルドシート(退院時に必須になる)
③ 直腸温を測れる体温計(病院に相談する際の材料になる)
④ 赤ちゃん用のビタミンD(母乳育児の場合、不足しがちになる)
また、以下の2点に関しては注意してください。
① 赤ちゃんの回りには、枕・ぬいぐるみ・布団などを置かない。(窒息を防ぐ)
② 兄弟がいる場合は、赤ちゃんはベビーベッドに寝かせる。(兄弟が誤って乗ってしまうため)
注意点は守ってくださいね。
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