・不妊治療を始める前の一般的な基礎知識は身についていますか?
・なんとなく理解しているけど、実はよく分かっていないことはないですか?
・知っていることだと思いますが、ここで基本的な知識を再確認していきましょう。
基礎体温(高温期・低温期)とは?
基礎体温とは、「安静状態で測定した体温」をさします。
そのため、朝起きたらすぐに測ることが推奨されています。
また、時間帯によって体温が変化するため、毎日同じ時間に測定する必要があります。
基礎体温は、大きく低温期と高温期に分けられます。
低温期は、月経から2週間程度の期間をさします。(右下図)
低温期の体温は36.5度前後を推移し、この期間に卵子が成長します。
排卵されると体温が高くなり高温期となります。
高温期の体温は、36.8度前後で、高温期と低温期の体温差は約0.3度あります。
高温期は、約2週間程度続き、その後、体温が下がったら月経が開始します。
左下図は、私の体温変化の一例です。私は2年間毎朝体温の測定を行いましたが、一番理想に近い体温変化を選んでも、実際は、きれいに低温期と高温期が分かれませんでした。
そのため、排卵日を正確に知るためには、できるだけ毎日体温を測定する必要があると思います。
排卵検査薬について
排卵検査薬を使うことで、基礎体温の変化よりも正確に排卵予定日を知ることができます。
検査薬には尿で検査するタイプ(排卵を促すLH(黄体化ホルモン)を測定する)と唾液で検査するタイプ(唾液の結晶を評価する)の2種類ありますが、いずれも正確性は同じぐらいと言われています。
尿で検査するタイプは、使い捨てのものが多いですが、唾液で検査するタイプは繰り返し使えるものが多いのが良いと思います。
私は、唾液で検査するタイプは陽性の判断が難しいと感じたので、日本から持って来た尿で検査するタイプの検査薬を使用していました。
しかし、日本から持ってきた検査薬は、陽性の判断が難しかったので、アメリカで購入した検査薬(ClinicalGuard® Ovulation Test Strips)に変更しました。
こちらの検査薬のほうが、陽性の判断が簡単で、1回の検査費用もかなり安くなったので、すごくオススメです。
【あなたにオススメ】最適な排卵検査薬
生理が来るたびに「本当に排卵されているのか」不安になりませんか。何度も排卵検査を行うには、低価格で確実に結果が得られる検査薬が欲しいですよね。私がたどり着いた検査薬がこれでした。私の場合、日本の検査薬は高くて、効果が得られませんでした。興味があれば検討してみるのもありですね。
排卵検査薬は「L H(黄体ホルモン)の上昇を調べる検査」になります。
下に体温変化とホルモンの変化の対応を示していますが、排卵前にはL HとF S H(卵胞刺激ホルモン)が上昇していることがわかります。
このLHの上昇(LHサージ)を排卵検査薬で測定することで、排卵を知ることができます。
私は体温の変化がわかりにくいため、排卵検査薬を使用していましたが、体温の変化がわかりやすい人は排卵検査薬を使用しなくてもいいかもしれませんね。
不妊治療とは?
1. タイミング法
タイミング法とは、「超音波検査で卵巣の状態を確認しながら、適切なタイミングで性交渉を行う方法」です。排卵に障害がある場合は、直前に排卵誘発剤の注射を行うこともあります。
私は、生理不順だったので、排卵周期を28日周期に調整する薬を飲みながら、排卵予定日(2週目)に超音波検査のため病院に受診していました。
2. 人工授精
人工授精とは、「超音波検査で卵巣を確認しながら、排卵日に子宮の中に精製した精子を注入する方法」です。
超音波検査は、タイミング法と同じようにしますが、事前に精子を採取して提出しておく必要があります。
3.体外受精(顕微授精)
体外受精とは、「通常体内で行われる受精を体の外で行う方法」をさします。
卵巣内で、一度に多くの卵子を育てて、大きく育った状態の卵子を針で刺して採取します。
そして、事前に採取しておいた精子と体の外で受精させ、数日間培養した後に、受精卵を子宮の中に戻すという方法になります。
受精方法は2つあります。1つは、シャーレの中に卵子を入れて、採取した精子を振りかけることで受精させる「体外受精」という方法です。
もう1つは卵子に穴を開け、その穴から精子を1つ注入して人工的に授精させる「顕微授精(ICSI)」という方法です。
両方の受精ともに、数日間の培養で成長しない場合があるので、アメリカの病院では、受精卵が15個採取できたら、2個くらいが元気に育つそうです。
4.シリンジ法
シリンジ法とは、「採取した精子を注射器で吸い、自分で直接膣内に入れる方法」です。
特に、性交痛がひどい方や射精障害のある方に有効な方法と言われています。
医師の診断が不要な為、人工授精とは異なります。
各不妊治療の妊娠率
それぞれの治療方法における妊娠率は以下のようになってます。
一番妊娠率が高いのは体外授精です。費用に関しては日本で治療を行った場合の参考の値段になります。
シリンジ法については、新しい方法で比較が難しいため、記載しておりません。
メンタルケア
治療中のメンタルを保つ事がとても大変だと思います。
私も、いつまで続けようかとかすごく悩みました。治療をしている事をなかなか周りに言いにくいし、両親にも賛成してもらえないのではないかと不安で相談できませんでした。
また、友人などからの妊娠や出産報告を受けると、羨ましいし、正直、心から喜べないこともたくさんありました。
その時にみんなのいろんなネットの意見を聞いて、すごくメンタル的に励まされました。
長い方だと治療に5年ほどかかる方もおられるので、できるだけ早く情報を得て、治療を始めるのがメンタル的にもとても大切だと思います。
このサイトの情報が少しでも役に立てばいいなと思っております。
卵子・精子提供と代理母
アメリカでは、卵子・精子提供と代理母が多くの州で合法的に実施されています。
現在、アメリカにはエッグドナー・精子バンク・代理母を紹介する会社がたくさんあります。
卵子・精子は多くの情報が開示されており、遺伝子検査もされており安心して利用出来そうです。
代理母に関しても、エージェントやご夫婦との面談を経て代理母となるシステムが出来ているそうです。
日本では、これらの治療にやや抵抗がありますが、アメリカの病院でこれらの治療にほとんど抵抗がない印象を受けました。
少しでも考慮している場合は、病院で相談してみるほうがいいと思います。
私の経験・感想
結果的には、早く「体外受精」に取り組んで良かったと思います。
初診時、タイミング法を医師から4回するよう指示されて、治療を開始しました。
しかし、私はタイミング法の妊娠率を考えると、少しでも時間を無駄にしたくないと思ったので、タイミング法を2回で切り上げて、体外受精に取り組みました。
私は、人工授精を経ないと体外受精に進めないと思っていましたが、医師には何も言われることなく体外受精に進めました。
いろんな場面で感じますが、アメリカではやりたいことは、何でも言ってみるべきだと思います。
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